top of page
school09.png

架空ラジオCD
​「いばら王子は眠らない」

架空の声優が出演する、架空恋愛ゲームの特典ラジオCDです。

要素を詰め込み過ぎたキャラクターと、

互いに翻弄され迷走する声優たちのトークをお楽しみください。

フリートーク(ゲーム紹介)~おたよりコーナー~企画の間に、

架空ゲーム等のCMがあります。

✄-------------------

30分程度。
・性転換→×(想定していません)

但し、演者の性別は問いません。

・一人称、口調、語尾等変更→○

・アドリブ→〇

❀登場人物❀


林雪白(はやし・ゆきしろ):

不問)※少年役女性~男性

中堅声優。メインパーソナリティー。司会進行役。愛称はゆっきー。

物腰は丁寧で爽やかだが、闇を抱えていそう。何かと他の二人と意見が合わず、独特の解釈と価値観を持つ。演じるキャラクターは「伊原煌士(いばら・おうし)」で、メイン攻略対象の迷走系引きこもり王子顔不良クズ。

※タイトルコールと、途中でアニメのCMあり。
 

魚屋侑里(うおや・ゆうり):

(不問)※少年役女性~男性
若手声優。サブのパーソナリティー。愛称はうおりん。

フランクな話し方。ツッコミ役に回っていたはずが、だんだんと麻痺して場の雰囲気に飲み込まれていく唯一の良心。実は危ない自滅願望あり。

演じるキャラクラーは「蕪木グレン(かぶらぎ・ぐれん)」で、美化委員のハーフ美形ドS潔癖メガネ先輩。

※途中、シチュエーションCDのCMあり。

広瀬舞(ひろせ・まい):

(女性)
元アイドルの声優。ゲスト。愛称はまいまい。人気があるにも関わらず、あまり自分に興味がない。本作の推しは伊原。できれば推しを眺める壁になりたいと思っている。オタク気質で、推しに貢ぎ、天井×床のBL本を自費出版している。着ぐるみ系コスプレイヤーでもあるらしい。

演じるキャラクターは「姫川麗(ひめかわ・うらら)」で、見た目は地雷系、中身は脳筋、口調はお嬢様の、拳で解決するヒロイン。

※途中、ゲームの宣伝CMあり。
 

◇台詞に出てくる単語について◇

・「いばら王子は眠らない」……2024年1月27日に発売された学園恋愛アドベンチャーゲーム。別名「クズ育成ゲーム」と呼ばれるくらい、問題ありな攻略対象しかいない。主人公は彼らの抱える問題を主に拳で解決していく。​また、主人公の声はミュートできる。

・「不眠不休ラジオ」……上記ゲームに出演する声優による、ラジオ番組。ラジオ局で放送されているわけではなく、初回購入特典としてCDに収録されている。発売前に公式サイトでおたよりを募集した。第二回は未定。

・「ネーロカンパニー」……上記ゲームの発売元。通称ネーロ。アニメ、ゲーム、シチュエーションCDなど幅広く手掛ける会社だが、社長の気まぐれのせいで企画倒れも多い。

​・「マガケ」……毎年、夏と冬に開かれる大規模な同人誌即売会「マンガマーケット」の通称。広瀬がお忍びで通い詰めている。

✄-------------------

背景:AIPICT様

​2024.1

林:

(タイトルコール)

「『いばら王子は眠らない』初回購入特典・ラジオCD『不眠不休ラジオ』~!」
 

ー(間)


林:

というわけで、始まりました~。「第一回・不眠不休ラジオ」。わたくしは、学園恋愛アドベンチャーゲーム「いばら王子は眠らない」にて、伊原煌士(いばら・おうし)役を務めております、林雪白(はやし・ゆきしろ)と申します。そして―


魚屋:

「お前を粛清してやろうか?」どうも、蕪木グレン(かぶらぎ・ぐれん)役の魚屋侑里(うおや・ゆうり)です。よろしくお願いします。


林:

よろしくお願いします。やっとお会い出来ましたね! うおりんとは仲良くさせて頂いてるので、今日はとっても楽しみにしておりました。


魚屋:

そうですね、収録は別々ですもんね。私もゆっきーと久しぶりの共演になりますかね。今日はよろしくお願いします。


林:

さて、この二人がパーソナリティーということなんですが、今回は初回ということで、なんと! 特別ゲストをお招きしております。


魚屋:

うおー、誰だろう。


林:

ご登場頂きましょう。お願いします!


広瀬:

「全て破壊すれば宜しいのでしょう?」こんにちは。姫川麗(ひめかわ・うらら)役の広瀬舞(ひろせ・まい)です。よろしくお願いします!


魚屋:

まいまいだー! 我らがヒロインだー! これは豪華ゲストですね。まさかこの方がいらっしゃるとは思いませんでした。いやー、初回から飛ばしますねえ!


林:

はい、というわけで今回はこの三人でお送りしていきたいと思います。よろしくお願いします~。


魚屋:

よろしくお願いしまーす。


広瀬:

よろしくお願いします!


林:

さて、最初はフリートークということなんですが、今回のこのゲーム。いったいどんなゲームなのか、まずはうおりんにご説明頂きましょうか。


魚屋:

ちなみにネタバレはありですか?


広瀬:

ゲームをプレイされる前に聞く方もいらっしゃるかもしれないですよ?


林:

そうですね、では出来るだけネタバレしない範囲で、ゲームの魅力をお伝えください。


魚屋:

そんなあ、無茶ぶりですよお。


広瀬:

頑張って!


魚屋:

えーと、カンペカンペ。……「『いばら王子は眠らない』は、2024年1月27日にネーロカンパニーより発売された学園恋愛アドベンチャーゲームです。主人公である姫川麗(ひめかわ・うらら)は、伊原煌士(いばら・おうし)を筆頭とする訳アリな生徒たちと出会い、彼らが抱える問題を、時には優しく、時には拳で解決し、絆を深めていきます。日々のイベントや委員会、部活動など様々な場所で出会う訳アリ男子たちを拳でわからせてやりましょう。」……え、合ってる? これで本当に合ってる?


林:

さあ、まずはそんなヒロインである姫川麗ちゃんなんですけれども、広瀬さんから見てどんな子なんでしょうか?


広瀬:

拳で解決できるというのが斬新ですよね。


魚屋:

よかった、やっぱりまいまいも思ってた!


林:

麗ちゃんは、黒髪ストレートのツインテールで、見た目は地雷系、中身は脳筋、口調はお嬢様という、もう予想の斜め上を行くヒロインですよね。


広瀬:

そうなんですよ。具体的なシーンはちょっと言えないんですけど、とにかく行動が男前でかっこいいんですよね。攻略対象はちょっと………と言うか、かなり訳ありな子たちばかりなんですけれども、麗ちゃんだからこそ、彼らに堂々と立ち向かえるんじゃないかと思います。


林:

そうですよね。普通の恋愛ゲームには見られない光景なんじゃないかと思います。あ、小耳にはさんだんですけど、広瀬さんはテストプレイの時点で、ご自分のボイスを全てオフにされたとか。


広瀬:

そうなんです。たぶんご購入頂いた皆さんとしては、ヒロインにCVがつくってあまり無い事だったので、賛否両論あると思うんです。そんな方に朗報。なんと私の声、消せます。


魚屋:

消せるんだ。せっかく収録したのに、ちょっと勿体ない気もしますけどね……。


広瀬:

いえいえ。私としても、没入感を楽しむのに余計な要素が入ると邪魔になると思うので、そこはもう遠慮なく消しちゃってください。推しと二人だけの世界を楽しみたいので、私も出来ればその辺の壁になりたかったですけどね。


魚屋:

へ? か、壁……? き、聞き間違いかな……?


林:

さあ、そして先ほど不穏な台詞を口にしていたうおりん演じる「蕪木グレン」ですが、この子はいったいどんな子なんでしょうか。


魚屋:

えっと、グレンはですねー、銀髪に眼鏡の美形ハーフですね。ヒロインちゃんの一つ上の美化委員なんですけれども……この先輩、すぐに消そうとしてくるんですよね。


広瀬:

物理的に?


魚屋:

物理的に。


林:

すごいですね。


魚屋:

両親が気管支炎で亡くなっているので、異常にホコリを気にするんですよ。文字通り親の仇なんで。


広瀬:

じゃあ、お姑さんみたいにやるんですか。「あれ、まだホコリ残ってるわよ」って。


魚屋:

彼の場合、他人がホコリみたいなもんですからね。やべえ奴ですよ。


林:

ま、まあ……セオリーとしては、きっとここからデレる過程を楽しむんですよね?


魚屋:

楽しめるかなあ?


広瀬:

不穏なこと言わないでください!


林:

まあまあ。さて、わたくし演じるメイン攻略対象のいばら王子こと伊原煌士ですが、彼もまあ曲者でね。まず、引きこもりなんですよ。


魚屋:

へえ、そうなんだ。なんか他のキャラクターについてはあんまり情報が入ってこないので、こうやって詳しく聞けるのは新鮮ですね。


広瀬:

私はテストプレイしたので言えるんですけど、伊原様ルートはマジで泣けます。これだけは保証する、絶対泣きます。


魚屋:

へ、へえ~……。それはちょっと気になりますねえ。


林:

伊原君はね、一言でまとめるとクズなんですよ。


魚屋:

「クズ」。乙女ゲームではなかなか出てこないワードだ。


広瀬:

そうですね。


魚屋:

そうなの?!


林:

顔だけは良くて、見ての通り金髪キラキラなんで、王子とか呼ばれてるんですけど……まず家から出ようとしません。仮に学校に来ても、ロッカーに籠ります。


魚屋:

めちゃくちゃ迷惑だな。


広瀬:

ホコリ凄そうですね。これはグレン先輩が粛清しないとですね。


魚屋:

ええ……?


林:

あとは、「これ吸ってないと落ち着かないんだよねー。」とか言って昼休みにカカオシガレットを吸ったりとか、ラッキーリターンぽいお菓子が出てくるんですけど、その粉をそぎ落として袋に詰めて、売りさばいたりとかね。


魚屋:

不良通り越してヤクザなんですか?


林:

あとは、セージとかバジルといったごく普通のハーブを栽培させて、それを他の生徒に「おい、キマルぞ」とか言って買わせたりとかね。


魚屋:

それ、法を犯してません?


広瀬:

公式的に大丈夫なんですか? ……あ、OKです。監督からの許可、出てます。


魚屋:

良かった……いや、良かったのか? 本当にそれでいいのか?


林:

とまあ問題児ではあるんですが、その分ヒロインにどんな顔を見せるかは、プレイしてからのお楽しみと言うことで。


魚屋:

……このゲーム、まともな奴がいなさそうですね。


広瀬:

別名「クズ育成ゲーム」ですからね。


林:

そうなんですよ。ただそれだとちょっとアレなんで、他になんか良い名前ない~? ってSNSで募ったところ、おしゃれな名前が選ばれたみたいです。


魚屋:

タイトル詐欺では?


林:

さて、フリートークはこの辺といたしまして、次のコーナーに参りたいと思います!


ー(間)


広瀬:

(CM)

「『美しいものには毒がありますの。あなたもその毒に魅せられたのではなくて?』

夜な夜な繰り返される血の宴。彼女を満たせるのは、屍だけ。閉じ込められたあなたは、檻から逃れることは出来るのか。監禁系恋愛シミュレーションゲーム『檻に咲く百合』、2024年6月6日発売予定。」


ー(間)


魚屋:

続いてはこちら。「普通のおたよりコーナー」です。このコーナーでは、番組宛に届いたおたよりを読み、ゲストと一緒にトークをしていきます。こちらにおたよりボックスが用意されておりますので、まいまい。一枚引いて頂けますか?


広瀬:

はーい。何が出るかな? ……引きましたー! 東京都にお住まいの高校生、ラジオネーム「ナイアガラ」さんからです。おたよりありがとうございます!

「こんにちは。最近寒くなってきましたが、皆さんはいかがお過ごしですか。私は最近、乾布摩擦にハマっています。あとは、滝行のために滝めぐりして、めちゃくちゃ整ってます。そこで林さんに聞きたいのですが、おすすめの寒さ対策はありますか?まだまだ寒くなるのでご自愛ください。」との事です。


林:

高校生で滝行が好きって、なかなかいらっしゃらないと思いますけどね。


魚屋:

だいたい、今、冬ですよね。え、どうなってるの?  最近の女子高生、こわ。


林:

寒さ対策かー。王道で湯たんぽとかいろいろありますけどね。わたくしもやっぱり、乾布摩擦ですかね。


広瀬:

ああ。今流行ってますもんね。


魚屋:

流行ってるの?! 乾布摩擦が?! えと、参考までに……乾布摩擦って、あの乾布摩擦ですよね?


林:

どの乾布摩擦があるかわかんないですけど、肌擦るやつですよね。あれ気持ちいいんですよね~。皮膚が強くなってく気がして。


広瀬:

わかりますー。


魚屋:

嘘だろ……?


林:

はい、では続いてのおたよりはうおりんにお願いします。どうぞ!


魚屋:

はい、引きますよー。……えー、引きました。愛知県にお住まいの中学生、ラジオネーム「まえのうたげ」さんからです。

「林さん、魚屋さん、そしてゲストの広瀬さんこんにちは。」こんにちはー。「いよいよ『いばら王子』発売とのことで、おめでとうございます。今からプレイできるのを楽しみにしています。さて、私は恋愛ゲームをやっていることを家族に隠しているのですが、皆さんは人には言えない秘密ってありますか? ぜひ言える範囲でこっそりと教えてください。」とのことで……よかった、まともなおたよりだ。

 

林:

秘密~……秘密、ですかあ。広瀬さんは、何かありますか?


広瀬:

人には言えないってことは、この場でも言えないやつじゃないですか?


林:

まあ、確かに。それもそうですよね。


広瀬:

うーん……。でも、恋愛ゲームやってるっていうのは、わかる人はわかってくれると思うし、全然恥ずかしいことじゃないと思いますよ。好きなものを恥ずかしい、って思うのって、たぶん「相手は知らないだろうな」とか、周りの目と自分の属性を照らし合わせて、勝手に「自分には似合わないだろうな」とか思っちゃうからだと思うんです。


魚屋:

このラジオ始まってから、すごくまともな意見が出てきた……。


広瀬:

相手の目を気にするから自信がなくなっちゃうんです。もう、何も気にしちゃダメ。みんな、このゲームの攻略対象よりは絶対にまともじゃないですか。誇りを持っていい。あ、グレン先輩は「ホコリ」を粛正しててくださいね。


魚屋:

は、ははは……。


林:

じゃあ広瀬さんは、人に言えない秘密とかっていうのは特にないんですか?


広瀬:

あ、それは普通にあります。推しに三桁貢いだとか。コスプレイヤーだとか。実は天井と床の薄い本を書いて、マガケに出店したとか。


魚屋:

今、さらっと凄いこと言ったよね? いや、どこから突っ込めばいいのやら―


林:

いやあ、健全ですねえ。うおりんはどうです?


魚屋:

色々言いたいことはあるけど、天井と床が健全?! あ、えー……私の場合は、どうだろう。実は心に闇抱えてる、とかですかね?


広瀬:

闇抱えてる系! 中二病なんですか? 呪文唱えたりとかですか?


魚屋:

いや、そこまでではないですけど、なんかたまにふわっと消えちゃいたいな~とか、ラスベガス行って全財産つぎ込んだらどうなるんだろ~とか、SNSでこういう投稿をしたら、炎上するのかな、どうなるのかな~? っていう……軽い好奇心、みたいな。


林:

自滅願望か……。


広瀬:

闇が、深い……。


魚屋:

も、もちろん実際にはやらないんですけどね? なんか、そういう一歩手前を考えてしまうことはありますね。上司と和やかに談笑しているときに、「今、この人をいきなりぶん殴ったらどうなるんだろう」みたいなやつですよ。


林:

それは解雇待ったなしですね。


広瀬:

あ、でも私もわかるかもしれない。こう、目の前の状況って、結構微妙なバランスの上に成り立っていますよね。それを改めて認識したいんですよ。


魚屋:

もう、己の采配次第で簡単に自滅できる、みたいなね。


広瀬:

刹那の美学、みたいなね。


林:

ちょっと何言ってるのかわかんないですが……。まあ人には誰しも触れられたくない秘密があるということで。それでは、続いてのコーナーに―


魚屋:

―ちょっと待ってちょっと待って。何綺麗に締めようとしてるんですか?


広瀬:

そうですよ。林さんのだけまだ聞いてない!


林:

あ~……ごまかされなかったかあ。わたくしはね、そんなにないんですよねえ、秘密。良くも悪くも裏表無いと言うか。もうめちゃくちゃクリーン。いつ週刊誌に取られても大丈夫、オールオッケー。カモン。


魚屋:

逆に胡散臭いなあ……。その自信は一体どこから来るんですかね。


林:

あ~、でも一つあるとすれば……実家に限っての話なんですけど。うち、リンゴ農家なんですよ。結構有名な地域の。


広瀬:

へえ~、そうだったんですね。


林:

でも、わたくしはリンゴ大嫌いなんですよ。あ、好きな人はごめんなさいね。


魚屋:

ええ……? あ、リンゴ農家だから、リンゴを見すぎて嫌になっちゃった、とかですかね?


林:

うーん、これがまた物心ついた時からなんですよね。実家のリンゴ園の手伝いも、今だから言えるんですけど、大っ嫌いでした。なんですか、あれ。甘いのか酸っぱいのかよくわかんないし、皮は固いし、芯はまずいし。なんか食感もシャリシャリ言うし。舐めてるんですか?


魚屋:

ぼろくそに言うじゃん。親御さんが泣きますよ。


林:

あんなののどこがいいのか全然わかんないんですけど、余ったからってよく食卓に出てくるんですよ。


広瀬:

加工したものもダメなんですか? アップルパイとか、リンゴジャムとか……。


林:

加熱処理はますます駄目ですね。どろっとしてて気持ち悪いじゃないですか。


魚屋:

なんなんですか、その恨み。リンゴに殺されたことでもあるんですか?


林:

なので、実家では口が裂けても言えなかったです。


広瀬:

それを、ご家族はご存じなんですか?


林:

知らないですねえ。


魚屋:

でもこのCDを聞いたら、知ってしまう可能性もあるんじゃ……?


林:

親が? このCDを? ぶっ……あははははは! ありえないですね。


広瀬:

林さんって、なんかたまに怖いですよね。


魚屋:

あー、ちょっとわかるかもしれないです。私なんかよりも、よっぽど闇抱えてそう。というか、ぶっ壊れてそうです。


林:

え~? ないない、ありえないですって。わたくしがスキャンダル撮られる間に、お二人はたぶん十個くらいすっぱ抜かれてますって。


魚屋:

自分でクリーン宣言するほど、かえって怪しいものはないですよ。ねえ?


広瀬:

激しく同意します。


魚屋:

え~……というわけで、以上。おたよりのコーナーでした!


ー(間)


魚屋:

(CM)

「『このままあなたを連れてどこか遠くへ行きます。悪く思わないでくださいね?』
花の国へ旅立つあなたを引き留めるのは、一羽のツバメ。物語の脇役達が、今宵はあなたを奪いにやって来る。シチュエーションCD『脇役童話』、好評発売中!」


ー(間)


林:

続いてのコーナー! 「これはいばれる? いばれない? あなたを取り巻くドクズをジャッジ~!」はい。こちらのコーナーでは、番組に寄せられた投稿者さんからの「ドクズエピソード」を読んでいきます。そこに出てくるクズが「許せるクズ」か、「許せないクズ」なのか、我々でジャッジしていこう、という企画でございます。


魚屋:

仮にも乙女ゲームのラジオで、こんなにクズクズ連呼することってあります?


広瀬:

あ、クズジャッジコーナーですね。どんとこいです。


魚屋:

呑み込みが早い?!


林:

このコーナーにおけるクズとは、恋愛面に限らず、倫理的あるいは社会的に悪とされることをしても、反省することなく、平気でいられる人間のことと定義します。では、うおりん。おたよりをお願いします。


魚屋:

はい。さっそく読ませていただきます。北海道にお住まいの大学生、ラジオネーム「ヤンバルクイナ」さんからです。

「皆さんこんにちは。聞いてください。私の彼氏の話なんですが、とにかく他の女性との距離が近くて困っています。他の女の子との寝落ち通話はもちろん、デートやサシでの飲み、合コンなどに平気で行っていて、私がいくら言ってもやめる気配がありません。もちろんそれを除けば、かっこいいし優しいし大好きな彼氏なんです。私はどうすればいいですか? 別れた方がいいですか?」とのことです。


林:

さて、このおたよりにある彼氏について、わたくしたちがクズか、それともクズではないか、ジャッジを下していきたいと思います。クズだと思った方は「いばれる!」クズじゃないと思った方は「いばれない!」とお答えください。それでは、せーの!


広瀬:

いばれる!


魚屋:

いばれる!


林:

いばれない!


魚屋:

結果出ました。二対一でこの彼氏さんはいばれる……つまり、クズということですね。では、まいまいから講評をお願いします。


広瀬:

これはねー。あかんですよ。まず、彼女が「やめて」と言ってる時点で歩み寄りをしないのは、完全にアウトですよね。


魚屋:

私も同じです。仮にもお互いが納得してるならいいですよ? でも、彼女さんが嫌がってるなら、それはもう、いつ関係が破綻してもおかしくないじゃないですか。この彼氏は早急に改めるべきだと思います。


広瀬:

逆に、林さんがどうしてクズじゃないと思ったのか、お聞きしたいです。


林:

え~……わたくしとしては、ちょっと冷たい言い方になるかもしれないんですけど、「それをわかってて付き合ったんでしょ?」って思いますね。


魚屋:

ええ……? 自己責任、ってなると話が違いません?


広瀬:

クズ度合いで言えばクズですよ。


林:

いやいや、たぶん、こういうのは価値観の違いなんですよ。言っちゃ悪いですけど、二十歳超えてから自分を変えられる人なんてそうそういないです。投稿者の「ヤンバルクイナ」さんも、きっとこの彼氏さんと仲良くなってく過程で、「あれ? なんか変だな。この人って、私以外にもこんなふうに距離近いのかな?」とか思う瞬間があったと思うんですよ。


広瀬:

なるほど?


林:

なので、クズって言うよりかは、女好き? あー、違うな。距離感がバグってて悪気がないタイプなのかな。とにかく、あまり自分が悪いことしてるって自覚が無いので、方向性が違うんですよね。伊原的には、全然クズではないです。


広瀬:

伊原の価値観に照らし合わせるんですか?


魚屋:

それじゃ、たいていの人がまともになっちゃいますよ。このコーナー、成り立たなくなっちゃう。


林:

とはいえ、まあこういう意見は少数派だと自覚しておりますので……はい。多数決により「いばれる」で、結構です。


広瀬:

ちょっと納得いってなさそうですね。


魚屋:

さっき、ゆっきーは自分のことをクリーンだって言ってましたけど。なんか、叩けばいくらでもホコリが出てきそうですね?


広瀬:

グレン様が粛清しないと。


魚屋:

しましょう。


林:

はい! では続いてのおたよりは、広瀬さんお願いします。


広瀬:

はーい。長崎県にお住まいの高校生、ラジオネーム「すてら」さんからです。

「こんにちは。私が『いばれる』と思うのは、私の兄についてです。兄は、親の前では勉強や家事などを頑張ってるアピールが激しいのですが、私の前になると、だらけてゲームしていたり、おやつを食べていたり、とにかく節操がないです。それなのに親の前ではいい顔してるのがむかつきます。この兄、クズでしょうか? 皆さんのジャッジをお願いします。」とのことです。


林:

さて、このおたよりにあるお兄さんについて、わたくしたちが「いばれる」か、「いばれない」か、ジャッジしていきたいと思います。それでは、せーの!


魚屋:

いばれない!


広瀬:

いばれない!


林:

いばれる!


魚屋:

また割れましたね。


広瀬:

林さんが、また一人。


林:

え、嘘。……ええ? 広瀬さんは、どうしてですか?


広瀬:

このお兄さんは、まだクズと言うには早いと思うんです。と言うか、これ私にも当てはまるなーって言うのがあって……。誰かが見てたら宿題とか頑張れるけど、誰も見てないと、ふう。息抜きしようかな、ってなっちゃうの、結構わかります。


魚屋:

ですよね。私も覚えがあります。これがまた、厳しい親御さんだったり、褒めてくれる先生だったりすると、良く見られたいからってめちゃくちゃ頑張っちゃって、その反動でだらけちゃう、ってのは割とあるあるな気がします。……ゆっきーは逆になぜ?


林:

……クズの兆候が見えてる。以上です。


魚屋:

待って。わかんないわかんない。


広瀬:

なんですか、クズの兆候って。


林:

頑張ってるアピールしてる人って、結局、人前でしかやらないんですよ。人に良く見られたい。それ自体は悪いことだとは思いません。むしろ使い方次第ではいい薬にもなるとは思います。ですが、このお兄さんは……言っちゃ悪いですけど、もうそれが全てになってますよね。妹さんがこれだけ心配してる、ってことは、親御さんがいないと何もやってないんでしょうね。


魚屋:

発想が極端すぎません?


林:

これを許してたらいけないんですよ。みんなクズになってしまう。


広瀬:

でも、誰かに対して悪いことはしてないですよ? 仮にやらなくても、それで困るのは自分じゃないですか。


林:

最初は誰でもそうなんです。でも、気付いた頃にはもう手遅れになるんですよ。妹さんの前だけ、って言うのも引っかかりますよね。目下の人には威張り散らして手駒にするタイプですよ、これ。


魚屋:

散々な言いようですが……ゆっきー、残念ながらまたしても二対一なので、結果は「いばれない」んですよねー……。


林:

わたくしとうおりんがわかり合えないのは、もうしょうがないんでね。わかりました。次から! 次からが勝負です。次回のゲストに期待ですよ。


広瀬:

林さんが特殊すぎるんです。私たちの方がだいぶ一般的ですよ。


林:

そんなことはないです。はい、以上!「これは、いばれる? いばれない? あなたを取り巻くドクズをジャッジ~!」のコーナーでした!


ー(間)


林:

(CM)

「『僕は替えの利く存在だったんだ。こんな事実……知りたくなかったよ。』

この感情は、好感度というデータ数値。肉体など存在しない、二次元の存在。彼は、この世界の理に抗うことはできるのか。SFアニメ『攻略対象の反抗』。ネーロカンパニーにて、2025年、制作決定。」


ー(間)


林:

というわけで、三十分に渡ってお送りした「第一回・不眠不休ラジオ」でしたが、いかがでしたでしょうか。


広瀬:

はい。トークも番組も楽しかったですし、このCDを聞いて、まだプレイされていない方も、既にプレイされた方も、両方楽しんで頂けたら嬉しいなと思います。


魚屋:

私は、テーマが独特で最初は慣れないことも多かったんですけど、やってるうちに馴染んできたと言うか……世界観に疑問を持たなくなっていったというか。慣れって怖いですね。いやあ、楽しかったです。


林:

ありがとうございます。わたくしもパーソナリティーということで、不慣れなところも多々あったと思うんですが、楽しいひと時を過ごせました。またね、第二回の収録があれば、うおりんにはいろいろと助けてもらおうと思ってるので、引き続きよろしくお願いします。


魚屋:

はい、よろしくお願いします。次回があるかどうかは皆さんのお声次第なので、どうぞ「いばら王子」公式サイトにアクセスして、「不眠不休ラジオ」宛にどしどしメッセージをお送り下さいね!


林:

そして今回ゲストでお越しいただいた広瀬さんも。またイベント等々でお世話になるかと思いますので、その際はよろしくお願いします。


広瀬:

はーい。よろしくお願いします。


林:

それでは、「第一回・不眠不休ラジオ」。お相手は、林雪白と。


魚屋:

魚屋侑里と。


広瀬:

広瀬舞がお送りしました。またね!


ー(間)


魚屋:

この番組は、ネーロカンパニーの提供でお送りいたしました。
 


ーFin.(収録お疲れさまでした)

bottom of page