―女戦士、密偵、豪傑、毒と火の双子。これは蛮族たちの会合のお話。
西の大国・アレス王国と長年敵対してきた東の蛮国、アル・シャンマール。彼らは、若き王・ザイドの主導により、アレス王国の捨て駒同然である第十三王女・シエナを捕らえる。蛮国の幹部たちは、ザイドへの忠誠とアレス王国への敵意を前に、人質であるシエナを巡って議論を交わすが……。
―これは、かつての同胞の決別と、翻弄される双子のお話。
アレス王国の捨て駒同然であった王女シエナは敵国アル・シャンマールに捕らわれていた。初めこそ蛮族への嫌悪感を丸出しにしていたが、少しずつ自国の歪んだ思想に気付き、やがてひそかに若き王ザイドへ心を開くようになる。
そんなザイドは彼女の想いには気づかぬまま、
シエナを妃に迎えることを決意する。
一方、双子の姉レイラは、かねてより密偵カラムの裏切りを疑っていた。
ザイドとシエナの婚儀を控える中、密偵が迎えた待ち人とは……。
白兎を追いかけて不思議の国へとやってきたアリスは、帽子屋、チェシャ猫、女王らと親交を深める。そんなある日、白兎によって皆が集められた。聞けば、アリスが謎の死を遂げ、彼女の亡骸を意味する一枚のカードだけが残されていたという。いったい、誰がアリスを殺したのか。四人の話し合いが始まった。
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―「人間がセイレーンの肉を喰らえば、永遠の命を得て不死となる。
されど、セイレーンが人間を喰らえば……どうなるであろうな。」
ヤクザの愛蔵が身動きの取れない状態で目を覚ますと、セイレーンと名乗るおかしな者たちに囲まれていた。意味不明な昔話をする子供、やたらと掃除したがる偏屈者、そしてすべてを見透かしたような長。どうやら、なぞかけに答えなければいけないらしい。果たして彼はなぞかけに答え、暗闇から脱出することができるのか。