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ここに3枚のカードがある。うち2枚は君の望む数字とマークだ。
何が言いたいか、だって? ははっ、賢い君なら私の言わんとする事はわかるだろう。ご冗談を。
さあ、君はここまで全てのカードを見てきたはずだ。揃いにして、山と積み上げられていったカード達。もうわかっただろう?
そう。私たちの間をさっきから行ったり来たりしている「いらない子」がいるんだよ。それが誰なのか……むろん言うまでもないだろうね。
私か? もちろん、わかっているに決まってるじゃないか。何なら、最初から把握済みさ。これから、そいつが君の元へ渡ったら、今度は私が同じように究極の選択をしなければなるまい。そして、もし君がそいつを引かなければ…私の敗北だ。
さあ、引くがいい! 気持ちの向くままに、思った通りのカードを選ぶのだ。
引け、引け引け引け引け引け引け引け引けい!!
―ぬわああああ! そ、それは!
フッ、騙されたか? 愚かだな。これは作戦に決まっているだろう。まさか、本気にしたとでも?
ははっ、君ともあろう者が、こんなわかりやすい反応を鵜呑みにするとは……全く、情けないな。故郷の親御さんが泣いているぞ。まあ、私は役者だからな、気持ちはわかる。仕方あるまい。
―ぬわああああああああ! だから、本当にそれはっ!!
……コホン。ああ、いいさ。引きたいなら引けばいい。だが、策士である私の巧妙な罠である可能性を十分考慮に入れることだな。君は私がいつも言っているように、素直すぎるんだ。その選択が仇にならなければいいがな。
おう、本当にそれでいいんだな? ファイナルアンサー?
はっ、そんなんだからいつも私の方が一枚上手なのだよ、カードだけにね!
って―うわああああああ!!
……負けました。
ーFin
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